フルタイムで仕事をしている方の障害年金の受給に関するQ&A

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 武田彰弘

最終更新日:2024年08月21日

フルタイムで仕事をしている方の障害年金の受給に関するQ&A

Q仕事をしている人は障害年金を受給できないのですか?

A

 仕事をしていたとしても、障害年金を受給できる可能性はあります。

 障害年金の審査基準の中に、「仕事をしているかどうか」という項目はありません。

 つまり、仕事をしているという理由だけで、障害年金が受給できなくなるということはありません。

Q仕事をしているかどうかは障害年金の審査には無関係ということですか?

A

 障害年金の受給要件を満たさないと判断される一要素にはなります。

 障害年金は、傷病によって労働が困難な方を救済するということを目的の1つにしています。

 そのため、傷病はあるものの、お仕事に何の影響もないという場合に障害年金を支給することは、制度の趣旨に反することになります。

 そのため、お仕事をしているという事実が、「障害の程度が軽い」という判断の要素になることがあります。

Qフルタイムで仕事をしている場合は障害年金の審査で不利に扱われますか?

A

 フルタイムでお仕事をしている場合、「障害の程度が軽い」と判断されやすくなる傾向があります。

 フルタイムでお仕事ができる以上、傷病がお仕事に影響を与えていないのではないかという見方が可能なためです。

 もっとも、障害の種類によって、フルタイムでお仕事をしていることがあまり不利にならないこともあります。

 例えば、目の障害、聴覚の障害、肢体の障害は、数値や機能で障害状態を判定します。

 あくまで数値や機能が判定基準になるため、その基準さえクリアすれば、フルタイムで仕事をしているかどうかは、あまり重視されない傾向にあります。

Qフルタイムで仕事をしていることが重視されるのはどんな障害ですか?

A

 精神の障害や、内科的疾患の場合、フルタイムで仕事をしていることが重視される傾向にあります。

 これらの障害の場合、障害年金の審査基準に「労働が著しい制限を受けるかまたは労働に著しい制限を加えることを必要とする」というものが含まれている場合があります。

 その場合、「フルタイムで仕事している以上、労働に制限がないのではないか」という見方をされる傾向にあります。

 ただ、あくまで見方をされる傾向があるというだけで、このような障害であっても、フルタイムで仕事をしていたら障害年金が絶対に認定されないとは限りません。

 お仕事の内容等によって判断が変わってくる可能性などもありますので、フルタイムで仕事をしており、障害年金の受給を検討されている方は、まずは受給見込みがあるのかについて専門家に相談してみることをおすすめします。

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