生まれつき障害がある場合の障害年金に関するQ&A

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 武田彰弘

最終更新日:2022年09月06日

生まれつき障害がある場合の障害年金に関するQ&A

Q生まれつき障害がある場合に障害年金は受給できますか?

A

生まれつきの障害でも障害年金を受給できる可能性があります。

1 障害年金を受給するための「納付要件」

 障害年金を受給するためには、原則として、初診日の属する月の前々月までの期間に一定の年金保険料を納めている必要があります(これを「納付要件」と呼ぶことがあります。)。

2 納付要件に関する20歳前の障害についての例外

 もっとも、生まれつきの障害の場合、初診日の属する月の前々月までの期間に年金を納めていることはあまりないかと思われます(障害の内容によっては、出生時が初診日とみなされるものもあります。)。

 では、生まれつきの障害の場合は障害年金の請求が不可能かというと、そうではなく、障害年金の制度においては、初診日において20歳未満であった場合は、年金の納付要件は充たさなくても請求が可能とされています。

 これは、公的年金は20歳になるまでは加入義務がありませんので、年金保険料を支払っていなくても当たり前であるということに配慮した制度です。

Q生まれつきの障害の場合、いつから障害年金を受給できますか?

A

初診日に応じて以下のとおりとなります。

1 初診日から1年6か月後に20歳に達していない場合

 この場合は、20歳になった時点での障害の状態について審査が行われ、認定基準に達している場合は、20歳に達した日の翌月分から障害年金の受給ができるようになります。

2 初診日から1年6か月後に20歳になっている場合

 この場合は、障害認定日(障害の状態を定める日のことで、その障害の原因となった病気やけがについての初診日から1年6か月を過ぎた日、または1年6か月以内に症状が固定した日)の翌月分から障害年金の受給が可能です。

Q生まれつきの障害で障害年金を請求する場合の方法について教えてください

A

 20歳に達した後に必要書類を集めて請求を行うようにしてください。

 必要書類には初診日を証明する資料が含まれていますが、生まれつきの障害について障害年金を請求する場合、初診日がかなり昔であるために初診日の証明が得られにくいことがあります。

 そのような場合は、一度、年金事務所や障害年金の専門家に相談してみることをおすすめいたします。

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