働きながら障害年金を受給できる場合

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 武田彰弘

最終更新日:2023年09月04日

1 障害年金の受給と就労の関係

 障害年金の受給は、原則として働きながらでも可能です。

 国民年金法や厚生年金保険法には、どのような場合に障害年金が支払われるかについて、支給の要件が記載されていますが、その支給の要件として、「就労していないこと」といった要件は記載されていません。

 したがって、働きながらでも、障害年金を受給することは原則として可能です。

2 20歳前傷病の場合の特例について

 ただし、具体的な事情のなかで、働いていることから障害年金の支給が否定される場合も考えられます。

 例えば、国民年金法に基づく障害基礎年金の支給要件を考える場合、初診日(その障害のために初めて病院で診察や治療を受けた日のことです。)が20歳未満の未成年の頃にあると、障害基礎年金の支給根拠は国民年金法30条の4となります。

 そして、国民年金法30条の4を根拠とする場合の障害基礎年金については、国民年金法36条の3に「第三十条の四の規定による障害基礎年金は、受給権者の前年の所得が、その者の所得税法(昭和四十年法律第三十三号)に規定する同一生計配偶者及び扶養親族(以下「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、政令で定める額を超えるときは、その年の十月から翌年の九月まで、政令で定めるところにより、その全部又は二分の一(第三十三条の二第一項の規定によりその額が加算された障害基礎年金にあつては、その額から同項の規定により加算する額を控除した額の二分の一)に相当する部分の支給を停止する。」と記載されているとおり、政令で定める額を超える程度の所得を得ている場合には、障害基礎年金の支給が停止されることとなります。

 そのため、単に働いているというだけであれば、障害基礎年金を受けとることは停止されませんが、働くことで政令で決められた額を超えるような収入が稼げている場合には、働きながら障害基礎年金を受給するということが認められないことになります。

3 認定基準において就労状況が考慮される場合

 この他にも、障害年金の認定基準の中には、障害の程度を量る指標として、被保険者の方の就労状況を考慮するものがあります。

 例えば、精神の障害に基づく障害年金では、労働に著しい障害が出ている程度を3級、労働はほとんど不可能で日常生活にも著しい支障が出ている程度を2級というように判断の目安がつくられています。

 したがって、精神障害に基づく障害年金を申請する場合などでは、一般企業で通常どおりフルタイムで働きながら障害年金を受給することは、非常に難しくなります。

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