精神疾患で障害年金を受給している場合の更新時の注意点

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 武田彰弘

最終更新日:2022年12月09日

1「永久認定」と「有期認定」

 障害年金の認定には、認定後も、一定の期間経過後に再認定を受ける必要のある「有期認定」と、障害の状態に一定の固定が認められ、再認定の手続が不要になる「永久認定」の2種類があります。

 精神疾患で障害年金を受給する場合は、原則として有期認定となりますので、定期的に障害年金の更新手続きを行う必要があります。

2 更新の手続

⑴ 更新時期の確認方法

 有期認定の場合、年金証書に次回診断書提出年月印字されますので、この提出年月が更新時期となります。

 更新の周期は、1年~5年であり、受給者ごとに異なっています。

 

⑵ 提出書類

 更新手続が必要な時期が近づいてくると、「障害状態確認届」という診断書が送られてきます。

 これが送られてきましたら、主治医に記載を依頼して、忘れずに提出するようにしましょう。

 

⑶ 再認定後の処分

 障害状態確認届を提出すると、再認定の手続が行われ、その結果、障害の程度に変更がないと判断された場合は、従前と同様に障害年金の支給が行われますが、障害の程度が軽くなったと判断された場合は、障害等級が下がって年金額が低くなったり、障害年金が支給停止になったりします。

3 更新時の注意点

 上記のとおり、再認定の審査は、「障害状態確認届」に基づいて行われますので、その作成者となる主治医に、日頃の診察時から、日常生活等の状況をしっかりと伝えておくことが非常に重要です。

 特に、更新時点で就労している方については、その就労の実態(一般就労が出来ているのか否か、職場から特別の配慮を受けていないか否か等)を十分に伝えておかないと、一般就労ができていると判断され、障害年金の支給がストップしてしまう可能性がありますのでご注意ください。

4 更新時の手続に悩んだら専門家にご相談ください

 障害年金の更新の手続自体は、「障害状態確認届」を提出するだけなので初回の請求より簡便ではありますが、「障害状態確認届」の内容次第では障害年金の支給が止まってしまう可能性があるため、「障害状態確認届」にどのようなことを書いてもらうかということは非常に重要です。

 ご自身で、「障害状態確認届」にどのような内容を書いてもらえばよいのか分からない、主治医に何を話しておけばいいのか分からないという方は専門家に相談してみることをおすすめいたします。

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