障害年金を受給できる年齢

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 武田彰弘

最終更新日:2022年11月04日

1 障害年金の請求における「年齢」の重要性

 障害年金を受給するためには、原則として、初診日(=障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)に、公的年金に加入していなくてはなりません(これを、一般的に、障害年金の「加入要件」と呼びます。)。

 現在の日本では、国内に居住する20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入することになっていますが、それでは、20歳未満の人や60歳以上の人は障害年金の請求はできないのでしょうか?

 障害年金の請求と年齢には密接な関係がありますので、以下で解説いたします。

2 障害基礎年金

⑴ 初診日が20歳以上60歳未満の期間にある場合

 現在の日本では、国内に居住する20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入することになっていますので、この期間内に初診日がある場合は、障害年金の加入要件を充たします。

⑵ 初診日が20歳未満の期間にある場合

 年齢が20歳未満の人は、厚生年金に加入していない限り、国民年金に加入することになっていないため、形式的には、加入要件を充たさないように思えます。

 しかし、国民年金法上、初診日における年齢が20歳未満の場合は、例外的に、公的年金に加入していなくても、1級や2級に該当する障害があれば、障害年金が支給されるという取り扱いとなっています。

 ※ただし、この場合の障害年金の受給には所得制限がかかりますので注意が必要です。

⑶ 初診日が60歳以上65歳未満の期間にある場合

 国民年金法上、過去に国民年金の被保険者であった者で、日本国内に住所を有し、かつ60歳以上65歳未満である者も、加入要件を充たす取り扱いとされています。

 したがって、初診日が60歳以上65歳未満の期間にある場合も障害年金を受給できる可能性があります。

 ただし、老齢基礎年金を繰り上げ受給している場合には、重複して障害基礎年金を受給することはできませんので、注意が必要です。

⑷ 初診日が65歳以上の期間にある場合

 初診日が65歳以上の期間にある場合は、障害基礎年金の請求はできません。

3 障害厚生年金

 初診日に厚生年金に加入していた方は、障害年金受給のための加入要件を充たします。

 したがって、初診日が20歳未満の期間にある場合でも、65歳以上の期間にある場合でも、厚生年金の加入期間内であれば、障害厚生年金は受給できる可能性があります。

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